がん検診について

胃がん・大腸がんで死ぬ時代は終わったはずなのに・・・

皆さん、こんにちは。令和7年7月1日に発足した、特定非営利活動法人ときん理事長の荒川哲男です。

私は、消化器内科医として50年間医療に携わっていきました。その中で、とくに内視鏡のめざましい進歩をつぶさに体験・実践してきました。そのような立場から、医学・医療で世界をリードする日本が、40年間以上にわたって「がん大国」のレッテルを貼られて続けられていることに納得がいかず、これを是正すべく立ち上がることを決意しました。

私の専門は胃腸です。消化管とも言いますが、口から肛門までの長い一本の管です。この管にできたがんで亡くなる人が毎年10万人以上います。この方たちは、無症状の間に内視鏡検査(いわゆる胃・大腸カメラ)を受けてさえいれば死命を失わずに済んだはずです。なぜなら、内視鏡はどんな微細な変化も見逃さないので、助かる(早期)がんとして見つかることがほとんどだからです。

 「仕事が忙しくて検査に行きたくても行けない」と言って受けに来なかった人が、血便が出てやっと受けに来たときには手遅れで、仕事をやめなければならなくなったというケースを何度も目にしました。

 また、「がんが見つかったら怖い」といって受けない人も相当数居ます。今は、見つかったら治る時代になっています。「がんは見逃す方がよっぽど怖い」 見逃すと確実に進行がんになり、辛い治療を受けてもほぼ助かりません。

私は11年前に、毎年受けていた胃カメラで食道にがんが見つかりました。胃カメラでは食道も観察できるので、ラッキーにも超早期で発見できたのです。それで10年以上健康に過ごせています。

もし、あの時に胃カメラをせずにいたら、5年後にはステージIVの進行がんとなって、高額ながん治療を受けたとしても2年は持たなかったでしょう。4年以上前に私はこの世から居なくなっていたはずです。

食道・胃・大腸は、簡単にがんの早期発見ができる臓器です。やっておけば助かる命を無為に捨てるようなことはしないで欲しい。そう強く願っています。いきなりカメラはハードルが高いと思われる方は、簡便な便検査でまずあたりを付けてみるのもいいかも。

 市民公開講座などの重要なお知らせは、このホームパージのトップに掲載しますので、見逃さないように、よろしくお願いします。

特定非営利活動法人ときん 理事長
大阪市立大学名誉教授・医学博士
荒川哲男